飲食店を経営している身としては断食をしながらすごく気になっていることがあります。
ラマザン中、飲食店はどうなってるの?大赤字なんじゃ。。。
と、思いきや、実はラマザン中は逆にレストランは儲かるのだそうです!
日没の時間になると断食の終わりを告げるアザーンがなり響いて、みんなで一緒に食事を摂るのですが、この食事のことをイフタールと言います。
イフタールは大勢でわいわいするのがいいとされていて、レストランなどはいつもより大賑わいです。そしてもちろんイフタール特別メニューが用意されていて、いつもよりお値段もけっこうお高めです。
先週の金曜日は主人の職場でイフタールの集いがあったので、お供して行ってきました。

このように、レストランは予約ですでにいっぱいです!職場の中には断食をしていない人もいますが、そういうひとももちろん参加してもいいのです。
普段から家族、親戚づきあいがとても親密なトルコですが、イフタールはまた特別で、ラマザンの期間中はしょっちゅう誰かの家にあつまってのイフタールとなります。
当然、わたしも最低でも一度はみんなを招待してイフタールを振舞わなければいけません。
できるかしら。。。 どきどき。。。
そしてもうひとつ、一日の断食を乗り切れるように、日の出の前に最後の食事をとります。
これがサフールです。
こちらはもう寝ぼけ眼でとりあえずおなかに詰め込むだけなので(笑)イフタールのようにみんなであつまって。。。などの習慣はありません。
このサフールは、もちろん大事な食事なんですが、イフタールはみんな楽しみに待ちわびる時間なのに対して、あぁ、今食べとかなきゃ!で無理やり詰め込む感が否めません。
特に今年のように夏季にラマザンがあると、カイセリのイフタールが20時15分で、食べ終わってお茶を飲んだりくつろいだり、なんだかんだしているうちに就寝時間がだいたい24時をまわってしまいます。
そして断食の始まりを告げるアザーンが鳴るのが3時15分。それまでにサフールを終えなければいけません。
眠りについて2時間ちょっとしてから、まだおなかは空いていない、眠い、まぁいいや。。。寝よう。。。
となると、次の日後悔することになります。。。
バンコクからこちらへ帰ってきた日、カイセリに到着したのが夜の11時を過ぎていました。
長旅で疲れきっていたので、顔を洗ってすぐにベッドに倒れこみました。それがおそらく12時半くらいだったと思います。
それから1時間も経つか経たないかのうちに、物音で目が覚めました。
最初は夢だと思ったのですが、確かに窓の外から軽妙な太鼓の音が聞こえます。
ドン・ドン・ドンドンドコドコドン・・・
こんな夜中に何?なにかの練習?
。。。いや、だんだん音が近づいてくる。
これは誰かが太鼓を叩きながら道を歩いている。
そう思っているうちに私達のアパートの前を通り過ぎていきました。
夜中に、男がひとり、みんなが寝静まった通りをリズミカルな太鼓を鳴らしながら歩いている。まるで江戸川乱歩の小説に出てきそうな光景です。
いったい何が起こっているかわからず混乱していると、となりで目を覚ました主人が
「これは、サフールにみんなが起きれるように目覚ましの太鼓を鳴らしてるんだよ」
へー、そんなサービスがあるんだ。
と納得してその日は寝ましたが、太鼓はもちろん毎夜来ます。
サフールを終えなければいけない時間が3時15分。食事に20分かかるとして、その準備に30分かかったとしても、2時15分に起きれば十分間に合います。
それが太鼓が来るのがいつも1時半ぐらい。微妙に早いんです。12時ごろに就寝して、すぐに太鼓で起こされて、もう一度寝てまたすぐ自分の目覚ましで起きる。
太鼓、いらなくない。。。?
でもきっと、アラームなんてない時代からの伝統なのかもしれませんね。
でも、正直あれで起こされるのちょっとうっとうしいよねって、ある朝主人に話してみると、
「起こしてくれるのは親切でやってくれてるんだよ。でもね、ラマザンが終わったらあの人たち、集金に来るんだよね。。。 しかも、あきらかに一人でやってるはずなのに、集金には何人も来るんだよ。」
えー、、、それちょっと、どうなの。。。?
と思いましたが、ラマザンで培った「施しの気持ち」を大事にしないといけないみたいです。


■空腹の症状
よく漫画などでお腹が空いている人を描く時に、おいしそうな料理のにおいが漂ってきて、鼻をひくひくさせて、お腹がグーと鳴り。。。 とか、色んな好きな食べ物などが頭に浮かんできて何も手につかなかったり、ひどくなってくると、幻覚が見えて何でも食べ物に見えてくるとか。。。
はっきりいって、そんなことは今のところないです。笑
もちろん個人差はあると思います。一般的にやっぱりみんなお腹が空いてイライラしているらしく、主人の仕事場ではラマザン期間に入ってから争いが耐えないそうですw
私の場合はイライラすることはぜんぜんなくて、どちらかというと 元気が出ない という感じがぴったりです。
何をするにも、 はぁぁ。。。力が出ないよー。。。 という感じ。
■水は生命の源。。。でしょ?
断食を始める前に一番不安だったのが、お水を飲めないことでした。
食べないのは我慢できるけど、お水も飲めないなんて。。。 とつぜん喉がイガイガした場合は?咳き込んだ場合は?
人間食べ物がなくてもしばらく生き延びるけれど、水がなければ死んじゃうと聞いたことあるし、お水だけは飲ませてよー!と思ったものでした。
それがはじめてみると案外、これも思ってたより大丈夫でした。
もちろん肉体労働で汗を流している人にとっては耐え難いでしょうけれど、私のような主婦にとってはそんなに喉が渇くこともないです。
逆に水を飲めていたとしたら、断食が楽になっていたかと言えば、そうは思いません。
なぜかというと、朝起きてから何も飲まない、食べない、すると体はずっと寝たまんまみたいな感じなんです。だから頭はおきているけど体の中は眠ったまんまみたいな感じで一日過ごします。(あくまで私の場合)
もしコップいっぱいのお水でも飲んでいると体が目を覚まして「何か食べたい!!」と暴れだすような気がして怖い!笑
■空腹ってなんだっけ。。。?
断食はイスラム教徒にとっての大事な宗教的義務なんですが、それには色んな意味が込められていて、一年のうちのこの短い期間に、空腹を体験することで貧しくて食べ物が得られない人の立場になって考え、普段から施しの気持ちを忘れない人間になれるように、という意味もあるそうです。
考えると、長い歴史の中で飢えは何千、何百年もずっと人類の大敵だったんですよね。それがこの数十年で少なくとも日本人は飢えに苦しむということとはほぼ無縁になりました。
飽食の時代と言われているそうですけども、特に女性にとっては飢えではなく食べ過ぎることが大敵の時代になりました。
私個人で言えば、仕事が忙しくてお昼を食べる時間がなかった、気がつけば朝から何も食べないうちに夕方になってしまった、あぁ、おなか空いた!みたいなことは多々ありますけれど、かと言って、あぁ、もう食べ物を買うお金が残っていない!とか、今日は何とか食べ物にありつけたけれど、明日はどうなるかわからない。次いつ食べ物が手に入るかわからない、そんな経験は当然ですが一度もありません。
だから、冒頭に書いたような、漫画などでよくある空腹状態って実際には体験したことがないような気がします。
そして今、数日の断食をしてみて、お腹空いてる。。。。?これって空腹なの?ていうか、空腹ってどんな感じ?と、よくわからなくなってきました。
まさに空腹で頭が働いていないだけなのかも?笑
私がいま感じている症状が空腹だとしたら、漫画で見るような空腹とはまた少し違う感じです。イライラすることもないですし、どちらかというと静かな気持ちで、でも倦怠感があって、何か食べたい!という衝動も特にないです。
これはもしかしたら、私の体が今までの飢え知らずで蓄えがあったのかもしれないですね。このまま断食を続けていくとまた変わるかもしれません。
それではまた、次回へつづく☆
約2ヶ月のバンコク滞在を終えて、またトルコにかえってきた姉です☆
長かったような、短かったような2ヶ月でしたが、トルコで平凡に過ぎていく日々とは違って、刺激的な毎日が遅れました。
カイセリでの生活と、バンコクでの生活、どっちが好きかと言われればほんとうにどっちも好き!という感じです。
理想はどっちも行ったり来たりできる生活ですよね。。。
ただ、タイからトルコってけっこう遠いんです!
どれくらいかかるのって人から聞かれて、直行便でも10~11時間かかりますって言うと、だいたい驚かれます。
5,6時間で行けるイメージだったって言われることが多いです。
今回みたいに乗り継ぎ便にしていた場合。。。
バンコクからドバイまで5時間、空港での待ち時間が6時間、ドバイからイスタンブールでまた6時間、イスタンブールからカイセリへの国内線待ち6時間、なんと、24時間くらいかかってしまうんです。
バンコクの家を出てからトルコの家へ帰るまでの時間をトータルすると、30時間近く!さすがにへとへとになってしまいました。
そんな長旅を経てたどりついたトルコは、ちょうどラマザン(アラブ諸国で言うところのラマダン、断食月ですね)がはじまったばかり。
最初にイスラム教では年に一度、ラマダンという1ヶ月の断食があると聞いたのは、中学校の社会の授業だったと思いますが、その時は1ヶ月間何も食べないなんて!と、インドなんかで火の上を歩いたり針の上に座ったりする行者の姿が思い浮かんで、世の中すごい人たちがいるもんだなーなんてぼんやり思っていたのです。
断食といっても日の出から日の入りまでの間何も食べてはいけないだけなんだと知ったのはもっと大人になってからでした。
トルコ人と結婚すると、強制的にイスラム教徒にさせられて、強制的に断食をしなければいけないのかと言うと、そんなことはありません。
トルコのイスラム教はとっても緩いんです。
断食にかかわらず、飲酒もそうですが、けっこうみんな飲んでいます。
女性もスカーフで覆っていない人がけっこう多いです。
だから断食も、やってない人はけっこう居ます。レストランも普通に営業しています。
そんなトルコ人でも、豚をたべることだけは 絶対に犯してはいけない罪!! と言ってきます。
でも、お酒を飲む罪の重さと、豚を食べる罪の重さ、どっちも似たようなもんじゃない?と思うのですが。。。 そりゃぁ、生まれつき豚を食べたことない人は食べたいとも思わないだろうし、他のお肉は食べても大丈夫なんだから、そりゃぁ豚をわざわざ食べなくても平気だろうけどさ。。。 なんかずるい!(笑)
そんなわけで、豚だけは食べないで!と言われている私ですが、その他は強制されていません。
だからスカーフはかぶらないけど、お酒はたまに飲んでるけど、断食はやることにしました。
この断食もけっこうゆるいもんで、絶対に毎日やらないといけないわけじゃないんです。うっかり食べたり飲んだりしてしまっても、断食月が終わってから一人でやり直しして取り戻せるものらしいです。私は少し後れて始めたので、あとで少し長めにやるとか、冬頃の日の出が短い季節にやったりしてもいいんだそうです。
では、次回は実際にはじめてみたラマザンについてまた詳しく書きたいと思います☆















Sukhumvit soi 23にあるSerendib Tearoomのオーナー姉妹のブログです!ときどき姉が、ときどき妹が、日々の生活やお店のことをチョコチョコと書いていきます。
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